自炊した本を、置いたまま読む|ShelfStream · 第09回 / 全9回

スキャンした1冊が、iPhone の本棚に並ぶまで

執筆 Remosia Co., Ltd 公開 2026-08-02 読了 約6分

この記事の要点

  • 一巡は6段あるが、毎冊繰り返すのはスキャン・命名・置き場所への保存の3つだけで、どれも数分で終わる。
  • 先に「一度だけ」の3つ(形式・命名規則・接続)を片付ける。冊数を重ねてから直すと、形式の変換も一括リネームもやり直しになる。
  • 前半4段にアプリは出てこない。並び順を作っているのはファイル名で、待ち時間を決めているのは形式。どちらもアプリの外にある。

ここまで8回にわたって、形式・名前・見開き・置き場所・共有方法・道具・接続を、1つずつ扱ってきました。最終回は、それを1冊分つなげて通します。

手順を一通り読んだ読者が、実際に1冊やってみようとすると、最初の一歩で止まります。

スキャンから始めるのか、すでにあるファイルの整理から始めるのか。個別の記事はそれぞれ完結していますが、どれを先にやるべきかは書いてありません。 結局「今度まとめてやろう」となり、着手しないまま蔵書だけが増えていきます。

左から右へ、平らな紙束・綴じられた冊子・棚に立つ背表紙と姿を変えていく

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この記事について

1冊分の一巡を、着手できる順番に並べ直します。

読み終えたとき、今日どこから手を付けるかが決まっている状態になります。

逆に、いま読まなくていい場合

すでに一巡が回っているなら、この記事は要りません。 新しくスキャンした本が、迷わず本棚に並んでいるなら、それが答えです。

また、ここまでの記事を読んでいなくても通じるように書きますが、各段の判断理由までは繰り返しません。 理由が気になったら、その段で挙げる回に戻ってください。

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一巡は6段。ただし「毎冊やること」は3つだけ

まず全体を置きます。

#やること毎冊やるか
1スキャン本を読み取って画像にする毎冊
2形式どの形式で出すか決める一度だけ
3名前命名規則を決めて、それに沿って付ける規則は一度だけ/命名は毎冊
4置き場所決めた場所の1フォルダへ入れる毎冊
5つなぐ読む端末から置き場所へ接続する一度だけ
6読む開く

ここが着手を止めていた原因です。6段あるように見えて、毎回繰り返すのは1・3・4の3つだけで、しかもその3つはどれも数分で終わります。

だから、先に「一度だけ」を片付ける

順番はこうです。

先に 2(形式)と 3の規則 と 5(接続)を済ませる。それから1冊目を通す。

この3つは一度決めれば二度と触りません。逆にここを決めないまま冊数を重ねると、後から全部やり直すことになります。 形式の変換も一括リネームも、200冊たまってからやるほうが圧倒的に大変です。

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前半4段 — ここはアプリの外の作業です

この4段にアプリの画面は出てきません。 パソコンとスキャナだけで完結し、どのビューアを使う人にも同じように必要になる部分だからです。

段1 — スキャンする

裁断して読み取る。所要時間は機材で大きく変わるので、自分の1冊で実測してください。 ここだけは代わりの手段がありません。

段2 — 形式を決める(一度だけ)

ZIP または CBZ。 理由は2回目に書きました。ZIP は末尾にファイルの目次を持っていて、そこから各ファイルの位置が引けるので、必要な1ページだけを取り出せます。

スキャンソフトの出力設定を1回変えるだけです。以降は何も考えなくて済みます。

段3 — 名前を付ける(規則は一度だけ)

崩れる原因は3つでした。ゼロ埋めのない数字、作品名の表記ゆれ、巻数以外の数字の混入。

規則を1つ決めて、全部それに揃える。 3回目に書いたとおり、どの書き方を選ぶかは重要ではありません。揃っていることだけが重要です。

規則さえ決まっていれば、以降は保存時に名前を打つだけで終わります。

見開きページがある本なら、ここで4回目の判断も済ませてください。 スキャン時に分けるか、読むときに分けるか。スキャン時の分割は取り消せません。

段4 — 置き場所へ入れる

5回目で決めた場所の、1つのフォルダへ入れます。 端末に収まるなら端末、収まらず自宅で読むなら NAS、外で読むならクラウド。

家の外からも読むなら、6回目で決めた共有方式と読み取り専用ユーザーがここで効いてきます。

ここまでで、アプリを使わずに終わります。 そして、この状態はどのビューアからでも使えます。

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後半2段 — ここでアプリが出てきます

置き場所が外部(NAS・クラウド)なら、読む端末からそこへつなぐ必要があります。クラウド・NAS への接続は Premium(有料)機能で、7日間の無料トライアルがあります。端末の中で完結しているなら、この段は要りません。

接続の具体的な手順は8回目で扱ったので、ここでは繰り返しません。一度登録すれば、以降は開くだけです。

段6 — 読む

前半で名前を揃えておくと、本棚ではこう並びます。

シリーズとしてまとまり、4冊が巻順に並んだ本棚

シリーズとしてまとまり、巻順に並んだ状態。この並びを作っているのはアプリではなくファイル名です(段3)。画面の作品は『ブラックジャックによろしく』(佐藤秀峰)。著作権者の許諾に基づき使用しています。

そして、閉じたところから再開できます。

続きを読む。前回閉じたページと進捗が表示されている

前回閉じた位置からの再開。この記録はこの端末の中にあり、他の端末へは引き継がれません。 画面の作品は『ブラックジャックによろしく』(佐藤秀峰)。著作権者の許諾に基づき使用しています。

ここで一巡が閉じます。2冊目からは、段1・3・4の3つを繰り返すだけです。

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通らない場合

RAR・7z・PDF が中心なら、待ち時間は消えません。 外部に置いたこれらの形式は、開く前にファイル全体の取得を待ちます。段2に戻って形式を揃えるのが先です。

複数の端末で読んだ位置を引き継ぎたい場合は、この一巡では解決しません。 置き場所を共有すれば同じ蔵書はどの端末からも見えますが、読んだ位置は端末ごとです。

前半4段が終わっていない状態で道具を変えても、結果は変わりません。 並び順を作っているのはファイル名で、待ち時間を決めているのは形式です。どちらもアプリの外にあります。

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今日やること

「一度だけ」の3つを片付ける。

  • 段2 — スキャンソフトの出力形式を ZIP/CBZ にする
  • 段3 — 命名規則を1つ決めて、紙かメモに書く
  • 段5 — 置き場所が外部なら、接続を1つ登録する

どれも今日中に終わります。 そのあと、手持ちの1冊で一巡を通してみてください。1冊通れば、残りは同じことの繰り返しです。

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シリーズはここで終わりです。

9回を通して扱ったのは、結局ひとつのことでした。スキャンして終わった本を、どこに置いても、どの端末からでも開ける形にする。 そのために効いてくる判断は、アプリの中ではなくアプリの外にありました。

道具が必要になるのは最後の2段だけです。そこに来たとき、私たちの作っているものが条件に合えば使ってください。合わなければ、前半4段は他のどのビューアでもそのまま使えます。

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ShelfStream について

ShelfStream は、自炊した漫画・書籍を、クラウドや NAS に置いたまま端末へコピーせずに読む iPhone / iPad 向けのビューアです。ローカルファイルの閲覧、7種類の閲覧スタイル、シリーズ管理・しおり・読書履歴は無料で使え、広告は表示されません。クラウド(iCloud Drive / Google Drive / Dropbox / Box)と NAS(SMB / WebDAV / FTP / SFTP)への接続は Premium(月額100円 / 年額1,000円・7日間の無料トライアル)です。

このシリーズは、自分が所有する本を、自分で読むために、自分で電子化したファイルがすでに手元にあることを前提にしています。著作権法第30条が私的使用目的の複製を認めるのは「その使用する者が複製する」場合に限られ、他人への配布・共有・アップロードはこのシリーズの前提の外です。記事の画面に写っている作品は、著作権者の許諾に基づいて使用しているか、パブリックドメインのものです。NAS の設定やネットワークの安全性を保証するものではないため、自分の環境の設定内容は自分で確認してください。